恋人同士。きっと言葉にするとそういうことなんだろうが、そんな言葉じゃこの気持ちは伝えきれない気がする。

だけど、ハルカがそれで安心するなら。

「ああ、そうだな」

すると、ハルカはホッと安堵の息を吐くとそれまで胸に溜まっていたのだろう不安も一緒に吐き出してきた。

「あのね。リュウってすっごく女の子に人気あって、いつも可愛い女の子たちに囲まれてるでしょ？　本当は、不安だったんだ。私だけリュウのことが好きなんじゃないかって」

「そんなわけないだろう？」

「だって、リュウは学校ではみんなに優しいんだもん。勘違いしちゃう子たくさんいると思うよ。私だって、リュウのことよく知らないであんな風に接されたら……」

「ハルカは、俺のことよく知ってるだろう？　それとも、知らないで俺のこと好きになりたかったか？」

そう問えば、ハルカはものすごい勢いで首をブンブン横に振った。

「でも……」

ぴたりと動きが止まったかと思うと、不安そうな顔でこちらを見上げてきた。

まだ、何かそんな顔をさせるようなことがあるのだろうか？

「どうした？」

「うん、あのね」

そこで一度言葉をとめたが、すぐに意を決したように表情を引き締めると真っ直ぐにオレの瞳を覗き込んできた。