ハルカの胸の鼓動が伝わってきた。

それは、おそらくいつもよりだいぶ速い速度を持っているものだろう。

それが妙に嬉しくて、もっと感じていたくてさらに腕に力を込めた。

溢れるような想いが自然と言葉になって紡がれる。

「ハルカ、好きだ」

はっきりと伝わるようにハルカの耳元で改めて自分の気持ちを告げた。

反応を見るため少し腕の力を緩めて身を引いてみると、瞳を潤ませながらこちらを見上げてきた。

あぁ、ヤバイな。

理性の糸がプツリと切れそうになったが、何か言いたげなハルカの様子にどうにか繋ぎとめられた。

「私も、私もリュウが好き。大好き」

「知ってる」

やっぱり、ヤバイかもしれない。

口からはからかうような言葉が出てはいるが、そうでもしないと抑えがきかなくなる。

それに、ハルカはまだ何か言おうとしている。

どうにか、最大限の努力をしてハルカのことを見つめ返した。

「ねえ、リュウ」

「なんだ」

「その……。私たち、恋人同士ってことでいいのかな？」