呟いた言葉は風が連れて行った
君は笑ったのかもしれない
唇に歯型がついた

鼻を啜る音はクラクションに紛れた
君はゆっくりと階段を下りていく
街行く人は気まずい顔をした

涙が落ちる音は聞こえなかった
涙の行方は目で追えなかった
君のはねた髪と
惨めな私の嗚咽だけが

わかったんだ