勇気が帰り際にあけたドアが
ゆっくりと動いて
「ガチャン」
と音をたてて閉まった。


その時、
怒ってはいたけれど
久々に誰かと関わったことに対して
少し喜びを感じている自分に気がついて
よくわからない感情になった。

嬉しいような楽しいような、でもどこか自分に腹がたつような
そんな不思議な感情。


「……なんか疲れたな…」


そう呟いて大きなソファに横たわると
気がつかないうちに意識を失っていた。