「ピンポーン」

家のインターホンが鳴るなんて何ヶ月ぶりだろう?

この家は、世界から大分遮断されている。
わたしは外へはほとんど出て行かないし、
誰かがわたしを訪ねて来るなんてもっとありえない。

「どちらさまですか?」

インターホン越しに話すと、返答が返って来た。

「隣の北原です!ご挨拶に来ました!」

(えっ…!)

(まさか来るなんて思ってなかったからパジャマのまんまなんだけど…!どうしよ…とりあえず着替えなきゃ!)

「少々お待ちくださいっ」

そう言い捨ててわたしは服を探して走り出した。