あれから2週間後
龍雅さんとは顔を合わせる事なく社交界デビュー当日になった
完璧な人形にはなれた
でも人間じゃない
「未依様。今日のお召し物です」
そういってメイドさんが私にドレスを渡した
大人っぽい…
闇に近い色のロングドレスだ
私はそれに着替えた
数10分後メイクアップアーティストの方達が私の部屋を忙しく出入りした
段々と偽物の私が出来上がっていく
「よぉ。久しぶりだな。未依」
そういいながら入ってきたのは、私に人形と言って音信不通だった龍雅さんだった
「どこいってたんですか?」
私は龍雅さんを久しぶりに見て少し安心した
社交界が怖いわけじゃない…
今まで顔を見せなかった龍雅さん
心のどこかで龍雅さんを求めていた