ちっぽけな私に優しい人たち。
私は何か出来ないだろうか?
気まぐれでどうしようもない私だけど、
恩を忘れたりしない。
「鈴、自分だけって思わないでね。」
湊が居てくれるなら一人ぼっちじゃないね。
「湊もだよ?」
きっと、湊は私に似てるから。
どこかできっと何かに苦しんでるから。
湊も一人ぼっちじゃないんだよって
私が居るからねって思う。
私は聞いたりしない。
自分で言いたくなったらとかでいいし、
聞かなくなったって湊のことは分かってる。
どこか似てるからなのか分からないけど、
湊が苦しいなら私も苦しくて泣きたい時
はきっと湊の傍に寄り添ってたくてご主人様
には幸せで居て欲しいからなのかもしれない。
湊の手を取って湊を見上げる。
「鈴が居れば平気だよ。」
私を必要だって言ってくれる。
こんな私でも湊と一緒に居ていいんだって
言ってくれる。
「桐も居るよ?」
「桐は頼りないからね。」
湊がにっこり微笑んで隣を見る。
「私もあまり頼りになる方じゃないよ?」
「鈴は桐よりも頼りになるよ。」
「あ、あのなぁ!!」
桐だって湊を心配してるんだよ?
湊は知ってる?
桐はいつだって湊のこと気にかけてる。
どうしてなのかそれこそ知らないけど、
桐は誰よりも湊のこと分かってるんだろうから
私が何か入り込めるようなもんじゃないけど、
湊はきっと気付いてないフリしてるんだって
私には分かる。
桐と湊の関係を親友って呼ぶなら2人にしか
分からないことも多くあるんだろうって思う。
だから、私は気まぐれに何も知らんフリ出来る。