「言ってなくてごめんさない。

言いたくても言えないには理由があって、

痛いって気持ちは薄れてるからきっと平気だった

のに言葉にするにはまだ抵抗感じるの。」

今もまだ信じがたい。

私の人生で一番の衝撃。

もう二度とこんな気持ち味わいたくない。

私が悪者だからって割り切る気持ちは

ずっと痛かった。

「お兄ちゃんとは半分しか血が繋がってない。」

お父さんの血だけしかお兄ちゃんと繋がってない。

小さい頃はまだ父に似ていると言われて、

母にも大事にしてもらった。

いつしか父ではない産みの母に似てきたことに

よって家族は壊滅状態にまで陥った。

「うん。」

湊が悲しそうにでもちゃんと頷いてくれて、

「お兄ちゃんが誰よりも私の味方で居てくれた。」

どんな時も私を大事に思ってくれた。

「お母さんが本当のお母さんじゃないって

聞いた時もずっと傍にいてくれた。」

『鈴は俺の妹だから。』

って言い続けるお兄ちゃんに心底救われた。

「うん。」

それでも、ホントはお兄ちゃんの傍に

居る資格なんてないんじゃないかって思うこと

だっていくらでもあった。

「私は悪者なのにずっと味方で居てくれて、

嫌いになられるのが怖かっただけで・・・」

ホントに待つのが無理だなんて思ってるわけ

じゃなかった。

「うん。鈴。」

こんなに人に自分を曝け出したのはいつぶりだろう?

「湊、私ね、悪者で居ることが痛いんじゃないよ。

たった1人の味方も失ったらもう生きてけない。」

1人だなんて生きてけない。

傍に居てくれなきゃ死んじゃう。

「鈴、おいで。」

素直に行かなかった私にそうやって二度もチャンス

をくれる湊ほど優しい人なんて居ないね。