『元気にしてるか?』
そう言った口ぶりが憎くなった。
最初から私の存在が気に入らなかったのは
お父さんだった。
どうせ心配なんてしてるわけもないのに
見せかけの優しさなんて私にはいらない。
『元気にしています。』
そう言って学校に登校するのを再開しようと
思ったら、
『母さんとは離婚が決まった。』
私を責めるような言葉を吐いた。
『そうですか。』
もうどうだっていいとは言え、
この人なしに私はこの世に居なかった。
『鈴がどうしたいかはお父さん分からないけど、
文句は言わない。』
文句なんて言ったところで言うとおりにするつもり
なんてこれっぽっちもない。
『・・・・・・・・・・・』
『鈴、・・・自分の好きなように生きなさい。』
お金は心配しなくても毎月送る。
大学にも行ってもいい。
そう言ったお父さんは初めて私を見てくれたような
気がした。
「もうお母さんを苦しめなくてもいい。
私の存在なんてない方があの人は幸せに
生きることができる。」
苦しめる存在でしかない私なんてあの家族では
居ない方がいいんだ。
「鈴、何言って」
「お兄ちゃんには分からない。」
私の気持ちなんて何も分からない。
ずっと隠してた黒い気持ちもそんな
自分をずっと嫌だって思ってた私の
気持ちなんて分かってくれなくてもいい。
それでもそれを否定されると私では居られ
なくなる。
「私がずっとイラナイ子だって心の奥底で
思ってた気持ちなんて分からないでしょ?」
私って存在を否定されたらもうどうして生きればいいか
分からないよ。