子供の頃、男に殴られても女は俺を庇ってくれなかった。

まだ力がない俺を。



俺が成長して体格が良くなると、暴力のメインは女に移った。




あの時、女は俺を助けてくれなかった。

その瞬間を俺は忘れない。



「ああああーーー!!」

そう叫びながら、俺を置いて逃げた女を。



だから俺も女に対して複雑な感情がある。


助けてほしかった。

助けるそぶりだけでも、見せてほしかった。

愛して、欲しかった。