きっかけは公園で拾った柴っぽい子犬。
俺は子犬をガッコの裏山でこっそりと飼っていた。
「シバ!!」
子犬にシバと名づけ、俺は餌をやりにいつものように裏山へ。
三鷹がシバとじゃれ合っていた。
「矢藤の犬??」
「公園で拾った…でも家では飼えないから…ここでナイショで飼っている」
「へぇ~っ」
クラスには馴染めない俺と同じように三鷹も浮いていた。
シバは三鷹のウチに引き取られた。
そして俺は思いきって三鷹にコクることをキメた。
これは俺の一緒の賭け。
三鷹が俺をフレば…三鷹もクラスの女子たちと同じで…男を外見でしか見てない
くだらない女。
俺と付き合えば…俺の理想の女。ますます…ホレちまう。
俺は三鷹にコクった。
放課後…誰もいない教室。
三鷹と俺は付き合うことになった。
三鷹は俺のハートを見てくれた…。
三鷹…お前は理想の女だ。
私はトーヤにつけられたキスマークを部屋の姿見で見つめる。
「……」
私の胸元にクッキリと浮かぶトーヤの唇の痕。
ポッ と全身の体温がいっきに上昇。
何もなく無事に家に帰されたが…あれから私の頭の中は准斗ではなくトーヤのこと
ばかり考えていた。
タイマンで負けて口惜しいけど…。
私はトーヤのことを考える。
准斗にはないあの強引さ…。
超キケンな領域の香りがプンプンするけど…。
トーヤから目が離せない……。
私はいつものように準備して…公園で准斗と待ち合わせ。
「おはよ~」
爽やかな笑顔で准斗は私に挨拶。
「おはよ♪」
いつもの可愛い笑顔で応える。
他の男子は私を地味子と言って…「彼女にしたくないクラスの女子No1」と
影で言っていた。
人を見た目で判断するヤツはキライだ。
そんなヤツらが多い中。
准斗は違った。
犬を拾ったけど…ウチでは飼えないと言ってガッコの裏山で飼っていた准斗。
クラスではいつも一人で私と同じで背中に孤独を背負っていた。
准斗が犬のシバに向ける優しい瞳。
私はいっそ…ホレた。
そりゃ…外見は准斗…私と同じで地味だけど…優しいハートを持っていた。
でも素顔の准斗がイケメンだって私は知ってる。
どうして?変装しているのか知らないけど…。
准斗から私にコクって来た。
「俺と付き合ってくれ」と
15年間の人生で初めてコクられた。
地味子と地味男のカップル誕生。