固まる私。不信人物を見る目で私を睨む女。

緊迫したムード。
しかし、玄関からドアが開く音が聞こえた瞬間、この嫌なムードも一変する。

「よっ」

私の背後から陽気に現れたその人こそ、全ての真相を握っていると思われる人物だった。

「渉くん……っ!!」

にやにやしたしまりのない顔に向かって、数ある疑問をぶつける。

「これどういうこと!?ここはあんたの家なんじゃないの!?このそーめん女だれ!?もしかして私騙された!!?そうなの!?ひどす……」

止まらない私の口を、押さえる渉くん。
そしてにやにや顔のまま「うん、騙した」と実に楽しそうに言ってのけた。

ひどすぎるっ