「アズミーーー!!」

ぼくは大声で叫んだ。


アズミは口で「亮平」と言ったが、その声は聞こえなかった。


アズミは、やさしくぼくに手を振ってくれた。
柔らかな、その手つき。


ぼくは、アズミのもとへ行こうと、川に向かって走り始めた。
よく見ると、アズミの横に、ギターを抱えた女の子がいた。


「サヤ?!」

ギターを持った女の子はこくんとうなずいた。

「サヤーー!
コージとここで会ったのかーー?!」

彼女ら二人は、すべてわかっている様子で、うんうんと笑ってうなずいた。