ぼくも彼女も、同時にびっくりした。
ビシュッとその横を、車が通り過ぎていく。


狭いガードレールの内側を、黙って歩いているわけにもいかないので、ぼくは後ろからアズミに話しかけた。


「あのとき、なんですぐ出て行っちゃったの?
さっきぼくがギターを弾いてたとき」


「だってわたし、
自分のことを言われたみたいで」


「え?」


「悪いことしたんだから、
離ればなれになっても仕方ないよねって」


「それ、映画の話でしょ」


「でも、タイミングよすぎ。
つい最近、別れたんだよね。
中学生のときからつき合ってた彼と」


「そっか…」