チャットルームの常連たちは、
急に興味をそそられたようだった。


『連絡がつかないって、そりゃケータイ、壊れたんだろ、ふつーに』
『じゃ、なんでこの部屋に来ないわけ?』
『パソコンもバットで殴られて、とかー』


そんななかで、ケンタがぼそっと書き込んできた。


『アズミちゃん、このまえ、なんかの曲をリクエストして帰っていったよ』

『このまえって、いつ?』とぼく。

『えっと、ここ2・3日前って話じゃないなあ。いつだったかな』

『とにかく、ここに来たら、ぼくが心配してるってこと、伝えてくれないかな』


ぼくはそれだけをケンタに書き込んで、死にそうに疲れた身体を、布団の上にばったりと横たえた。


アズミ…、どうなっちゃったんだ?
ぼくは心配でたまらない。
きみの、元気な声が聞きたい。


頼むから、ぼくの電話に出てくれ。――