アズミと突然別れることになってから、ぼくは抜け殻になっていた。


アズミのいない部屋…。
ぼくにとって、それは辛すぎる。


ぼくは、アズミが残していった服や、マフラーなんかを、ときどき眺めてはそっと抱きしめた。


アズミ。早く帰ってきて。
ぼくは痛むこころを抱えて、毎日祈っていた。


「――すぐ、そっちへ戻るから!」
とアズミは電話やメールやチャットで、ぼくを励ましてくれた。



しかし、事態はそう簡単でもなかった。