「お父さん、待ち伏せしてたのか」


「そうなの。
…お父さん、なにも言わずに、わたしを車のなかに引っ張っていって」


「大丈夫?殴られなかった?!」


「平手で一発…それ以後なにも言わないし、なにも聞かないの。…それが、余計こわくって」


「アズミ…」


「お母さんは困った顔してるし、わたし、部屋にいることしか出来なくて…」


「それで…」


「亮平、わたし…、しばらく外に出れないと思う」


「―――…」


「亮平、ごめん」