アズミは、にっこりと、
ぼくをどきっとさせる笑顔をみせた。


ぼくは思わず、アズミの髪をそっとなでた。
アズミが心地よさげに、ぼくに向かって目をつぶる。


ぼくらは、長いキスをした。


窓の外からは、満開の桜が見えた。
春の訪れが、ぼくらを祝福してくれているようだった。


ねえ、亮平。
サヤさん、きっと天国へ行ってるよね。…

 
アズミは、ぼくに寄り添って、
「いまがいちばん幸せ」と言った。