「げほっっ…げほっ…」


アズミの目から、涙が浮かぶ。


「よし、これで全部出たな」


ぼくは、アズミを抱きかかえて、
部屋へ戻った。


「おい、大丈夫か」

「………」

「アズミ?」


しばらく様子を見ていると、
アズミは涙ぐんだまま、
ぐったりと眠りについてしまった。

ぼくも少し疲れを感じて、
シャツをゆるめて
そのままアズミのそばで横になった。


――そして、ふと気がつくと、
真夜中だった。