「おとといの晩、睡眠薬を大量に飲んで。
眠っている間に吐いたものが気管支から肺に入って、それで肺炎起こしたらしいです。
そういう死に方ってあるんですね」

さらにケンタが続ける。


「コージさん、ミルクと浮気してたらしいですよ…」


電話を切ったあとでも信じられなかった。

あんなに、元気だった人が死んでしまうなんて。

こんなに簡単に。


呆然とするぼくを、アズミが見逃すはずがなかった。


「なに?なんの電話だったの?!」

ぼくは、説明しないわけにいかなかった。
だが、そのタイミングを誤ったかも知れない。

アズミのショックは予想以上だった。