「臭ってない、臭ってない」

「…って、あーー!!
なによ、いまのちょっと?!」

「あはははは」

彼女が焦って紅茶をこぼしているところへ、さらにぼくは追撃を加えた。


「だから、ぼくはライオンだって言ったろ」

「”もし”がついてたでしょ、あのときは」

「つまり、可能性があるってことでしょ、
もしもし、おねえさん?」


本気でアズミが、おろおろし始めたので、
ぼくはこのへんでやめておこうと思った。

そのとき、ぼくのケータイが鳴った。