「そっか」
とぼくはアズミに微笑んだ。

彼女のしぐさのすべてが、
いとおしかった。


「亮平、こっちに来て」
とアズミが手を差しのべる。

ぼくは、どうしようかと迷ってから、
彼女の布団の横にすべり込んだ。


「…雨、まだ降ってるね」

「今晩はやまないだろ」

「わたし、亮平のことが好き」

「嬉しいね」

「亮平は?」

ぼくは、答えのかわりにアズミに言った。