「わかった。じゃ、電話して」


アズミは、しゃくりあげながらも、
自分のバッグからケータイを取り出し、
「今晩、優花のところに泊まるから」
と言った。


「泊まりでいいの?」

「…っうん…」

「おっけ。じゃ、リラックスして」


ぼくが彼女の肩をぽんぽんとやると、
アズミはうんうんとうなずいた。


「大丈夫?」

「…うん。ごめん」

「ごめんなんていいから。
ぼくら、助け合う仲だろ?」

「そうだね」
アズミが少し笑った。