「立ち入った話を聞くようだけどさぁ」

「どうしたの?」

「その胸の痛み、モトカノと別れたときからなんでしょ?」

「え」

「サヤさんから聞いたの」

「ああ…あいつめ」
ぼくは、こころのなかで舌打ちをした。

「そんなに、モトカノのこと、好きだったの?」

「まあ、好きだったけど」

「妬けちゃうなー」

「でも、いまはほんとになんとも思ってない」


枯れた噴水のところで、
親子連れがハトにえさをやっていた。