「亮平、お願い。
わたしを嫌いにならないで」

「嫌いになったりなんかしないよ、
アズミのことは、絶対。…」


それは、ほとんど告白だった。
ぼくらはお互いに見つめあった。
アズミの瞳がうるんでいた。


ぼくは、アズミの手を、ぼくの腕から
そっとほどき、
ぼくの両腕で彼女の肩を包み込んだ。


やがて、アズミの顔をこちらに向かせると、
震える身体を落ち着かせるように、
ぼくは彼女に口づけた。――