ぼくは、悲しさを抑えきれず、
その道具を荒々しく壁へ投げつけてやった。

ガシャンと音がして、
それらは床に無残に散らばった。


「ごめん…。亮平。ごめん」
アズミの目から、涙がぽろぽろこぼれた。


「アズミ、もう二度とこんなことしない
って、ぼくに約束してくれる?」

「うん」

「頼むから」

「ごめんね…亮平」


アズミは、泣きやまなかった。

ぼくは、やりすぎたかなと思い、
彼女に謝りたい気持ちになってきた。


「…アズミ。もう怒ってないから」

「亮平」

突然、アズミの両手がぼくの腕を
つかんだ。