「へぇ。なんだろ」

ぼくは呑気に彼女についていった。
そしてぼくらは、駅前にあった一軒のカラオケ屋に入っていった。


部屋のソファに座ると、アズミはさっそく、
《見せたいもの》をバッグから取り出してきた。

「なにこれ?」

「スニッフ。スニッフの道具だよ」


ぼくは、目を大きく見開いた。

「アズミ――、
なんでこんなもの、持ってるの?」

「なんでって。ネットで売ってたから」

「おまえ、それ自分で使う気で買ったの?」

「えっ……」

ぼくは、激しく動揺した。