ぼくら二人は、まるで悪だくみをして遊んでいる子どものようだった。


病院でお互いの視線を見つめあい、
手をつないで薬局へ歩いていく。
二人でおずおずと。
禁断の甘い蜜への道のりを。



ある日、ぼくらは最後の薬局を出てから、
いつものように手をつないで歩いていた。

すると、アズミが突然言った。
「ねぇ、ちょっとカラオケにでも行かない?」

「カラオケ?」

「たまには、わたしにも歌わせてよ」

「それもそうだな」

「ちょっと、見せたいものもあるし」