「そろそろ、様子見に行くか」

「うん」


アズミが立つ。

ぼくも立ち上がって、彼女とぼくは、
ちょうどいい背丈のシルエットをつくる。


ぼくがアズミの瞳をとらえようとすると、

彼女はすでにぼくを見ていて、

視線がぶつかった瞬間、彼女ははっと

その美しい瞳をまぶたにふせてしまった。


そのとき、

ぼくの中のなにかがぼくの背中を押して、

ぼくはアズミの手をそっと握った。