「リョウヘイさん、こんにちわ」
電話の相手は言った。

それは、Rの売人をやっている例の女の子からだった。


「薬なら足りてるけど」
ほんとうはそうでもなかったが、ぼくは彼女とはあまり付き合いたくなかった。


「いえ、そうじゃないんです」

「じゃ、なに?」

「リョウヘイさん、スニッフって知ってます?」

「スニッフ?」

「薬を砕いて、鼻から吸うんです。
その方が効き目が長持ちするんですよ~」


天使のようなかわいい声で、
女の子はくすくす笑った。
「ただし、鼻水出ますけどね」

「それで、それがどうしたの?」