『うん…』

そう言われると、ぼくはキュッと胸が締めつけられるようだった。


<それでもわたし、眠れなくてほんとうに辛いの。――わかってくれる?>


初めて会った日の、
アズミの真剣なまなざしを思い出した。


そこまで飲まなきゃ、眠れない苦しい日々を、いったいどれだけの人が送ったことがあるだろう。


ぼくは、アズミの苦しみは、
ぼくにしか受け止められないのかも知れないと思った。