『ちょっとお母さんに呼ばれたから、落ちるね』

xxazumixxのハンドルネームが、パソコン画面から消えた。
ぼくは、かなり残念だった。
いつものことだけれど。


『アズミ、落ちちゃったね』
サヤから再びログが流れてきた。

『うん』

『身体、しんどいのかなー』

『え?』

『アズミ、すごく悪いんでしょ?
このまえ、飲んでる薬の量聞いてビックリしたよ』

ぼくは、なにをどこまで言っていいのかわからなかった。

『やめさせないと。いつか死ぬよ。
ふつうの人が飲んだら卒倒する量じゃん?』

『そうだけど…』

『病院ハシゴなんてよくないよ。
アズミ、頭いいからそのくらいのこと、わかってるだろうに』