「眠れないの?お兄さん。いい薬があるよ」
とアズミがふざけて言った。


「いらないよ。
もう今日は眠れねえって決めたんだ」


「へんな日本語」


そう言いながらも、彼女は
「これ効くから」と
薬を何種類か出してきた。


ぼくはそれを受け取った。
なかにはRもあった。

いたずらっぽくアズミは
目で笑ってみせる。


「じつは、薬のシートを捨てに来たの。
家のゴミ箱から見つかると大変だから。
いつもコンビニで捨ててる」


ぼくは、彼女も
闇ルートを持っていそうな気がした。