「R、足りてます?
余ってますけど…」

「いくら?」

「10粒8000円ではどうですか~?」


電話の相手は、見も知らぬ女の子だ。
精神科関係のチャットルームで
偶然知り合った。


「高いな」

「え~、そうですか~?」

「いま足りてるから要らないよ」

「じゃ、また今度ですねー」


電話の相手は用がすむとすぐ切った。

希薄な関係だ…。


ぼくは、寝返りを打ちつつ、
いろんなことを考えた。

将来のこと。

ぼくは本来、IT関連企業に勤めていたが、
それもいまは就労できない状態だった。