「それ、なんの曲?」


顔を上げると、窓の横に高校生くらいの
女の子が立っていた。


優しいクリーム色のコートに
バーバリーのマフラー。


彼女は整った美しい顔だちに、
どこか品のよさをたたえていた。



「”禁じられた遊び”」


「それってなに?」


「ふるーい外国の映画」


「ふうん。どんな?」


彼女は、セミロングの髪をゆらした。