「ねぇ。わたしたち二人ともいけないこと
してるわけだからさあ」


「うん」


「もし、わたしたちが友だちになっても、
いつか離ればなれになるってことなのかな?」


「え?」


思いもしないことを突然言われて、
ぼくは返事が出来なかった。


アズミは、ぼくの胸元を見ていた。


「ねぇ、亮平。わたし、いままで
誰にも言わなかったんだけどさ」

「うん」


「それでもわたし、眠れなくてほんとうに辛いの。――わかってくれる?」


「ぼくもだよ。よくわかるよ」