「確かに予想通りのボサボサだな」


笑う鬼島さん


「髪切るの上手なんです…なの?」

「保育園の頃の夢が美容師だから大丈夫だよ」

「…それ、何の根拠もないじゃないですか」

「はい!敬語使ったから髪切るの決定ね!」

「えっ!!」

「よし!!食うもん食ったし行くか!」


猛くんがスクッと立ち上がった

「別に今日じゃなくていいだろ」

鬼島さんが煙草をふかしながら僕をみた

「俺は今日切りたいんすよ」

「それはお前の気持ちだけだろ?のぼるの気持ちも少しは考えろ」

「…髪、切りたいよな!?」

顔を近づける猛くん

「よく考えろ。のぼるが今、ここにいる事が大切だろ」

「ここにいるからもう大丈夫でしょ!?」

「そんな簡単なわけねぇだろ」

「のぼる!お前がはっきりしろ!」

迫る猛くんに僕は少し怯えてしまった