「……寝不足ですか桃太郎さん。」
次の日
あたしの顔を見るなりそう言った千絵
「……何でよ。」
「目の下クマすごいもん。」
親友には何でもお見通しらしく
あたしは何も言葉を返せない
「そんなに気になるなら本人に聞けば?」
「別に…気になってないし。」
あたしは千絵にそう言い残して
自分の机に向かった
「素直じゃないんだから。」
そんな千絵の言葉はあたしの耳には届かなくて
いつもならしょっちゅうあたしのクラスに来てた飴玉男も
今日は全く姿を見せなかった
「じゃーね、また明日。」
放課後、バイトの為先に帰る千絵に手を振って別れた
その時
滅多に鳴らないあたしの携帯が震え出す