「桃ちゃんッ!」
暇さえあればあたしに会いに来る飴玉男は
さっきの事なんてまるで何もなかったかのようにいつも通り
千絵があたしの顔色を伺ってるのがわかった
「桃ちゃん?どしたの?」
何も答えないあたしに心配そうに飴玉男が頭を撫でる
「触んないで!」
あたしは思い切り飴玉男の手を払った
飴玉男は驚いたような顔を浮かべて
悲しみを含んだ目であたしを見つめる
何よ。
もうそんな顔したって騙されないんだから!
あたしは立ち上がって教室から出た
無数に流れる雲を見上げながら
あたしはため息を溢した
「桃~。さっきのは酷いんじゃない?」
「千絵……」
屋上はあたし達だけの場所
嫌な事や授業をサボったりするのは
ほとんどがこの場所だ