「桃ちゃんは17年前の今日、何時に産まれたの?」


突然のその問いかけに景色を見るのを一度止めて考えた



「あたし?えっとね…確か午後6時45分…だったかな?」

「マジ!?もうすぐじゃん!」


急に立ち上がった飴玉男はそのままあたしの隣に座った



観覧車が少しだけ斜めに傾いてる




内心ドキドキして
怖がってるのがバレないように平然を装った

「ちょっとぉ!突然立たないでよ!」


「ごめんね!カウントダウン、しよ!」


「カウントダウン?」

「うん♪」


そう言うと
飴玉男は腕時計をあたしにも見えるように手首を曲げた



あたしも黙って秒針を追いかける

「…5秒前…4…3…2…1…」


飴玉男の声と共に



あたしの唇に触れたぬくもり