あたしは思い切って話を切り出した
「……飴玉男って、御曹司だったんだね。」
「ビックリした?」
「少し……」
窓の外
雲の隙間から太陽が顔を覗かせて
雨粒が木の葉っぱを濡らしてた
「何で今まで黙ってたの?」
「だって言う必要ないじゃん。桃ちゃんも聞かなかったし。」
そうだけど……
「言って俺の事好きになられても嫌だったから。」
瓶を手に取り
飴玉を一つ口に含む
「…じゃあ何で今日あたしを連れて来たの?」
「……桃ちゃんはそれを知っても
そんな事で俺を好きになったりしない。そう思ったから。」
そう言ってあたしに飴を一つ、差し出した