はぁ…はぁ…。



待ち合わせ場所に到着したあたしは
息を切らしてバス停を見渡す




居ない……?



いくら見渡しても飴玉男の姿はなくて
携帯の画面を開いて時間を確認した


時計は既に3時を回っていて
バス停で携帯片手に虚しく立たずむあたし




居る訳ないじゃん…


バカだなあたし……



心のどこかで待ってるんじゃないか
そんな淡い期待をしてた自分が突然情けなくなった



帰ろ…。

携帯を閉じて元来た道を戻るあたし






視界の端に
ぼやけた影が見えた



「桃ちゃんッ!?」


え………



その声にあたしは慌てて顔を上げた



「飴玉男………」