ピンク色した小さくて丸い飴玉


初めて逢った時のように
夕陽に染まって少しだけオレンジ色が混ざってた


「まだ……食べてなかったの…?」

飴玉男の細い手のひらに乗っかったイチゴ味の飴玉


それは確かにあたしがあげた物だった



「この飴は、桃ちゃんが俺の事好きになってくれたら食べるよ。」

そう言って再びポケットに飴玉を潜ませた



「……好きになる…訳ないじゃない、あんたなんか。」

「じゃあずーっと食べないもん。」

「何それ。さっさと食べればいーじゃん!」

「やだ。この飴は俺の物!桃ちゃんがくれた俺の飴!」


ムキになる飴玉男を見て
あたしは吹き出してしまった