強い口調で捲し立てるあたしに
悲しそうな飴玉男


初めてバスで出会ったあの時のような顔をしてる



そのあまりの悲しげな表情に
「……ごめん…ね。」ついそう言ってしまった



長い長い沈黙が続いて
先に口を開いたのは飴玉男だった



「そう…だよね。桃ちゃんにとって俺、迷惑だよね。ごめんね。」

「…………」

みかん色した大きな夕陽があたし達の住む世界を変えてゆく


あたしは何も言えないまま
ただうつ向いていた



「…でもね、桃ちゃん。俺にとって桃ちゃんは運命の人なんだ。」

運命……?
あのたった一つの飴玉で出逢ったあたしと?


黙ったまま
何も言わないあたしに構わず
飴玉男は話続ける