いつからだろう
飴玉男に対して
『愛しさ』
それを感じ始めたのは
もしかしたら
初めて出会ったあの日から
スキになってたのかもしれない
「これ。」
転がり続ける飴玉を見つめてるあたしに
目の前に差し出されたピンク色の飴玉
え……
「あげる。」
呆然とするあたしに
隣に座ってる男が続けて言った
そして立ち上がり
「それもイチゴ味。」
そう言って笑った
まさか……
帽子を深く被ったその人
顔がハッキリ見えなかったけど
笑う口元があたしの瞳に映し出されてた
車内を歩き
お金を放り込んだ後ろ姿
そしてあたしの手には
イチゴ味の
丸い飴玉