いつだってあたしの傍には飴玉男が居て



どんなに突き放してもずっと想いをぶつけてくれた







そしてあたしは



そんな飴玉男に





初めての恋に落ちた








景色が足早に通り過ぎる



あたしはポケットに手を入れて
ある物を取り出した





「……20歳、おめでとう、あたし。」



ピンク色した


丸い丸い



小さなイチゴ味の飴玉






飴玉男が大好きだったストロベリー




彼のポケットには必ず
この飴が潜んでた






『桃ちゃん♪』



飴玉男の笑顔が



浮かんでは消えた






ねぇ



今でもストロベリーが好きですか?





あなたの傍には



やっぱり
イチゴ味の飴玉があるのかな……






会いたいよ―――……