茜が何を言いたいのか

鈍感なあたしでもわかってる





あの日


飴玉男と別れた最後の夜





あれからいくつもの月日が流れて



いくつもの季節を通り越して来た





『3年は戻れない』


そう言った飴玉男と




これと言った約束を交わしてはいない




『待っててね。』


そんな事言われた訳じゃない




ましてあたしも


『待ってるから。』


そう言った訳でもない





だけどあたしはずっと待ってるんだ



飴玉男が帰って来る事を






大学に入ってから

何人かの人に告白されたけど



全て断って来たあたし





茜から度々受ける合コンの誘いですら断っていた