「へぇ♪結構大きいね!」


外に出たあたしは
部屋で見るよりも一段と大きいプールを目の前に
少しだけはしゃいでみせた




「桃ちゃん、濡れちゃうよ?」


空からは
大粒の雨があたし達を濡らして

飴玉男の髪の毛から雫が滴り落ちた




「あんたと居るといつも雨だね~。」


あたしは笑いながら靴を脱ぎ捨て
飴玉男の言葉を耳に入れようとしない




「桃ちゃん、風邪ひくって!」


そんなあたしの靴を拾い上げ
後を追うようについて来る





あたしも飴玉男も
もう既にずぶ濡れで

冷たい雨粒がプールの水面に水玉模様を作り出していた





「ねぇ、もう部屋入ろう?」


そう問いただす飴玉男に
あたしは背を向けたまま空を仰いだ