「でも、前から少し考えてた。親父もその方がいいってよく言ってたから。」
「……そっか…。」
飴玉男が行ってしまう
その現実を
あたしはどう受け止めたらいいのか
わからない
寂しい
寂しくて死んじゃうよ……
木枯らしが音を立てて地面を歩く
伝えなくちゃ
この気持ちを
全て
伝えたくて
「…好き…。」
そう呟いた
「え…?」
その言葉に反応して飴玉男があたしに歩み寄る
ダメだ……
泣かない
そう決めたのに
「桃ちゃん?」
あたしの顔を覗き込むように
肩に手を置いた飴玉男
お願い
神様………
あたし達を離さないで
「好き……」
「桃ちゃん……」