イ、イチゴ!?
意味不明な男の言葉にあたしは挙動不審
視線はもちろんあたしに集中
顔をあげた男を見つめてあたしは考える
暫くして頭の中にぼやけてた顔がだんだん浮かびあがった
あ……
「あーッッッ!」
あたしの叫びにも似た声に驚く観衆
「飴玉男!!」
「飴玉男?」
あたしの言葉をオウム返しする千絵をよそに
「やっぱり同じ学校だったんだ……」
誰にも聞こえないくらいにポツリと呟いた
「思い出した!?」
口の端を思い切りあげて笑顔を振り撒く
飴玉男
ざわつく教室を気にもとめずに
飴玉男は更に驚く言葉を吐き出した
「一目惚れしましたッッッ!」
「「はぁッ!?」」
その言葉にあたしと千絵が見事にハモった
ついでに教室は更にざわつき始める
「君は俺の天使なんだッ!」
頬をピンク色に染めて教室のど真ん中で飴玉男から愛の告白
呆然とするあたし
満面の笑みで見つめる飴玉男
これがあたしと飴玉男の恋の始まり